月夢

眠れぬ夜の虫の音が
遠い昔の波に誘う
淋しがり屋の俺だから
二人と遊んだ裏山の
幼い頃が懐かしい
変わらないのは空の月
見つめられて幾億年

駄目な奴だと嫌われて
落ちぶれた時を漂う
裏切れない友だから
叶わぬ望みを託したよ
惨めな暮らしに溺れても
優しい光は夜の月
眺めているのは幾億人

臆病な奴と嗤われて
灯りを避け闇を彷徨う
心に決めていた人だから
街は遥かに離れても
未練が消えぬ恋心
付いて来るなよ旅の月
夢で泣くのは俺一人

(ちゃげ)





【月夢】

御伽噺のような時間を
ずっと覚えている
街の灯りが煌いて
墨色の夜の雲が流れて
ボクは天窓の空を見ていた

儚く弱く光る星と
白く小さな月を探して
そっとキミを抱き寄せた
二人初めてみた夜空
八月遠くに見えた花火

キミの好きな歌聴いて
夏の夜なのに
少しだけ肌寒いから
寄り添うことが心地よくて
ボクの腕の中のキミ

時が止まればいいねと
月に願いを
眠る事を忘れて
ずっと語り合ったね
キミとボクの夢物語


(まゆ)




TOPへ戻る