「夜」
滲んだ月を雲が横切り
壁の時計が音を刻む
サイフォンはモカの香り
もう三年が過ぎたのに
捨てた恋は悔いを残す
胸の棘が抜けなくて
湯気に漂う君の泣き顔
部屋を飛び出す後ろ姿

別れ話は夜がいい
裏切るのは夜がいい
心を隠すのは夜がいい
愛する気持ちが苦しくて
愛されるのが重たくて
冷たい言葉を投げつけた

苦い珈琲きついタバコ
深まる夜に星はなく
思い出ばかり空回り
もう三年が過ぎたのか
忘れられない切なさに
流され沈んでしまいたい
別れて深まる恋心
君の面影を追いながら

一人の夜は眠れない
泣きたい夜は眠れない
君を想う夜は眠らない
夢なら目覚めて消えるから
忘れたくない君だから
思い出を抱きしめる

(チャゲ)







寄り添う時が恋しくて
今夜もキミを待っている
だけどいつもすれ違うの
言葉は悪戯なのかな?

明けない夜はないからね
キミがそっとささやくけど
明けない夜ならいいのにと
あたしは密に思っていいかな?

闇が二人を包みこみ
月の光も隠しましょう
全てをかけて愛せたら・・・
これが最後の恋ならば・・・

どれだけ思いこんだとしても
手には掴めない儚き夢
愛という名の言葉を頼りに
でも本当は偽りなのかな?

どこまでも終わりなく続く
この夜空のようだね
届け届けとこの手をのばしても
切なくなるだけなのかな?

危険な香りがまた
あたしの心を惑わして
降るような星空だったなら
どこまでも落ちてみようか?

闇が二人を大人にしていく
引き返えせない静かな夜に
全てをかけて愛せたら・・・
これが最後の恋ならば・・・



(えんと・まゆ)








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