雲 (チャゲ)

優しく澄んだ冬空に
霞のような白い雲
たわいもない噂なの
聞き流せばすんだのに
愛していたわ心から
会いたくてたまらない

甘えと嫉妬まだら色
重なり広がる雲の群れ
見え隠れするうらおもて
信じていたはずなのに
嘘は嫌いと責めたわね
あの人は傷ついた

光さえぎる雨雲と
別れを告げる稲光
言葉も心もすれ違い
過去がどうでも構わない
好きなのよと叫んだわ
振り向いてくれたなら

虚ろに遠い春の空
花は咲いても散るだけね
行き場のない切なさと
忘れられない哀しみで
思い出だけにしがみつく
あの人は戻らない



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雲 (まゆ)

教室の窓からみた
あの時と同じように
青く広がる世界に
浮かんでいるね
ちょっと目を離すと
形を変えるんだよね
じっと見つめていようかな
包まれたいよ 
ねぇいいでしょう

いつもそこにいるのに 
遠いキミのよう
手を伸ばして両手を
広げても届かない
恋を知った
春の日に見た空
あのときめきに似て
窓の外を見上げた 
ねぇ愛しいよ

何度も季節が過ぎて
あの頃とは違うけど
誰かを思う気持ちに
変わりはないから
大事に育てていくよ
手を離さないで
キミへ届けと思い込めて
流れる雲に言った 
ねぇもっと愛して

夏にもくもくと高く
秋には羊のように
冬にはグレーに染めて
春には柔らかく
キミはわたしの
自由な雲だから
ヒカリで色を変えて
いつでも素敵でいて 
ねぇ愛されたいよ





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