■11月のお題【秋の雨】


秋の雨  チャゲ

船を揺らす波しぶき
ふるさと遠く海のかなた
いくつもの傷を負い
いくつかの夢は消え
秋はいつも孤独な季節
海鳴りに凍える夜は
星を隠して雲も泣く

木枯らしが肌を刺す
ふるさと遠く空のかなた
いくつもの街を追われ
いくつかの心に出会う
秋はいつも旅立つ季節
風に追われ舞い落ちる
銀杏並木を後にして

終わりないさすらいに
ふるさと遠く時のかなた
いくつもの年が過ぎ
いくつかの恋を捨て
秋はいつも別れの季節
静かな雨が頬を濡らし
想いを流して降りしきる





秋の雨  まゆ

燃えるような朱の葉先に
伝わる細い雫
一雨ごとに
季節は冬へと向かうね
こんな寒い午後は
キミを思うよ

空色を少し灰色にして
硝子越しにみる
見慣れた風景
雨が音をかき消して
ひとりぼんやり
見つめてた

コスモスの花びら揺らして
きらきら光る雫に
思いをよせて
キミに届けと祈っていた
違う季節も
一緒だよね

この雨があがる頃
キミへメール
きっと明日
その街を濡らすから
こんな寒い午後は
キミでいっぱい





■10月のお題【e-mail】


e-mail    チャゲ

君に会いたい
好きなんだ
貴方からのe-mail

裏切られ傷ついて
恋はしないと決めたから
何も教えず何も聞かない
貴方に名前はなくていい

ルール違反よ
会えないわ
私からのe-mail

別の自分がいるようで
曖昧なのに惹かれたの
狭い画面に閉じ込めて
貴方に形はなくていい

僕を信じて
本気だよ
貴方からのe-mail

赤い糸なら結べても
電波で心は繋げない
縛られないから自由なの
貴方に心はなくていい

ごめんなさい
さようなら
私からのe-mail

文字で人は愛せない
忘れる為に逃げたけど
貴方は夢をみてたのね
別れに涙はなくていい







Email      まゆ



夏の終わりはいつも
どこか寂しいね
風が冷たくなって
風景が変わる頃

文字だけみつめて
どこか伝わらない
もどかしさをいつも
抱きしめていた

時も距離も越える
何かを期待して
はかない夢の中
泡のように消えて


ラインの中
キミへと繋がるその瞬間を
重ねるたびに


優しさが綴られた
キミの文字を
受け止められた
素直な心はどこへあるの

月の夜も雨の朝も
繋がっていたね
いつか思い出と
笑えるといいね




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